Watana Bear's Life Makeovers

空の写真 と 脳内排出 ときどき しあわせ練習帖

春待ち散歩で道開く。

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昨日、簿記の模試試験以外すべてのミッションをクリアした後、散歩に出た。

久々に歩く方南通り。熊野神社に寄り日頃の感謝と簿記試験に向けての祈願を述べる。

中央公園を横切ると、ギターとハーモニカをぶら下げた演奏者がいた。目の前を通るとギターの音が心地よい。音楽には詳しくないのだけれど、ジャズかブルースか、オサレなカフェで流れていそうな心地よい旋律だった。もし、私が何か楽器を始めたならば、きっと中央公園で練習することになる。そして、もし人とセッションできるほど上手になったのなら、こういった人たちと言葉を交わすことなく、コミュニケーションをとる楽しさを知ることになるのだろうか?と想像を膨らませながら中央通りへ向かう。

ハイアットリージェンシー前からのコクーンタワーが見える景色が好きだ。よく何かの撮影が行われて足止めを食らったりすることがあるけれど、見慣れた風景がテレビやスクリーンに出ると少しだけうれしく思うわがままな通行人である。

コクーンタワー内の書店で、簿記2級の教科書を物色する。どの教科書を買うかではなく、2級を受ける必要があるのかどうかを決めるためだった。「3級は中小企業レベル」「2級は大企業レベル」の会計処理知識と聞いたことがあるが、なぜ、商業簿記と工業簿記の二種類が抱き合わせになっているのかも疑問で仕方がない。どっちも必要なのか?共通部分はないのか?うちの会社はどっちに当てはまるのか?うちの会社向けの別の会計資格があるのだから、どっちにも当てはまらないのでは?っつか私の仕事は経理ではないのだからそもそも必要ないのでは?などと、勉強しなくて済む理由を探しながら立ち読みをする。

結果、損益資料を作っている身としては必要かも?レベルのモチベーションに上がり、3級合格後の身の振りを前広に考えることができた。どの教科書を買うかまで決めて、文具を調達して、次の目的地であるヨドバシカメラに向かう。

デジタルカメラコーナーに向かうと、以前持っていたデジタル一眼レフの進化系が出迎えた。

随分と丸くなったデジタル一眼レフの隣に、随分かわいらしいミラーレス一眼レフが並んでおり、まるで孫の結婚式の高砂席を見ているような気分だった。息子さえまだ結婚していないのに、なぜゆえ孫なのか。きっとそれほど時が流れていたということなのだろう。

そこに披露宴会場のスタッフならぬ、カメラコーナーの店員のおじさんに声を掛けられる。わたしよりちょっと年上に見えるおじさん。ごめん、おじさん、買う気がないんだけど、けっして値段調査でも冷やかしでもないの。でもね、簿記試験が終わった3月から散歩を始めようと思っているから、その相棒候補を見つけに来たの。

なんてことは言うわけもなく、10年くらい前にデジタル一眼レフを購入し遊んでいたが、6-7年前に手放し「ミラーレス」と「コンデジ」の違いも判らないほどの浦島太郎状態で、購入前に勉強に来たと告げた。

すると、おじさんは丁寧にご教示してくれた。おじさんの説明はとても分かりやすかった。突っ込んだ質問をしても、さらに掘り下げて説明をしてくれる。それが楽しいと感じる。やっぱりわたし、カメラが好きなんだなと思った。

結論からすると、スマホがあればコンデジはいらないと判断した。しかし、今回の相棒探しの目的は「散歩中におけるiPhoneの業務削減」ではないか。その旨を伝えると、随分小さくなった嫁のミラーレスの良さを紹介を始めた。

どうせ一眼レフタイプを買うならば、昔かじっていた一眼レフの良さと比較してしまうが、遊びレベルのわたしにとってはミラーレスに軍配が上がる。ミラーレスの購入を視野に入れ、人気商品を紹介してもらう。それぞれのおすすめポイントを丁寧に説明してくれ、持たせてくれた。見た目でひとめぼれをした娘もいたけれど、今度買う娘は生涯の伴侶とするつもりでいるので性能重視で選びたい。

将来的には天体撮影がすることが目標だと告げると、おじさんは手をたたき「それならば断然これがおすすめです」と足早に引き返す。少しはしゃいだように見える笑顔で指示した先には、先ほどひとめぼれした娘がいた。あぁ、運命の出会いはこういう感じで「かちゃ」っとはまるんだっけね。おじさんありがとう。あとは、その娘を使いこなせるだけの知識と財力を手に入れて出直してくるよ。

彼女のことを忘れないように、身上書ならぬパンフレットをもらうと、おすすめユーチューバーのリーフレットもくれた。ご丁寧に、天体観測について解説されている方に黄色のマーカーまで施してくれ「この方は断然おすすめです」と言い添えてくれた。

このおじさん、本当にカメラが好きなんだな。おじさんはどんな写真を撮影するの?風景?人物?動物?。残りの人生は、こんな風に好きな物をゴリゴリと語れる人たちに囲まれて生きていきたいと思った。

少し肌寒い春待ち散歩は、充実感たっぷりに終わることができた。そして、6月の簿記2級受験と半世紀生きたご褒美として、彼女を迎え入れようと心に決めた。

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