ひとつの箍が外れると次々と気持ちよく蓋がはずれていく
自分の不調の原因のようなものを認めた途端に、全ての回路が徐々に回り始めた感覚がした。生活リズムだルーティンだのなんだとあれこれ試行錯誤してきたけれど、ふっと「家事って朝じゃなくても良くね?」と自分の中で声がした。
朝、目覚めてから業務開始までの間は、好きなことをしよう。そう思った。できるだけ洗濯物は日光に当てたい派なので、洗濯だけは朝イチからは外せないけれど、それ以外の家事は仕事の合間の気分転換や、夕方から夜にかけて終わらせるようにすればいい。朝から掃除をすれば、1日気持ちよく過ごせるような気がしていたけれど、夜寝る前に床を軽く掃除した時の夜寝る時の心地よさのようなものも案外いいものだと気づいたのだ。
そうだ、朝は好きなことをしよう。
何をどの順番でやると決めるのではなく、漠然と「好きなこと、思いついたことをする時間にしよう」そう決めた。
昨晩、就寝につくときに決めたことは起床時間だけ。6時に起きるよ。と宣言してスマホを見ることなくそのまま寝た。
今朝の目覚めは5時半だった。スマホを見る時間30分の余裕をくれたのだなと、エアコンのスイッチを入れてネット内の定方先を巡回した。巡回し終えると、オレンジとネイビーだった空がイエローとブルーに変わっていた。
起きよう。
ロフトベットを降りたのは6時半。初日にしてはまぁまぁか、と時間を気にしている自分にうんざりしたけれど、いつか時計を見ずに朝を過ごす日が来るのだろうと、なんとなく思えたから見逃すことにした。
***
不思議と、不調の自分を認め、不調の原因を知っただけで、自分の中で何かが変わり始めている。自分の意識とか思考とかが完全に無視されて、細胞が勝手に革命を起こし始めているような感覚。
自由に生きるって言っただろ?
細胞たちがそう言って、勝手に自分の中の固定観念を壊していく。
意識がどんなにあがいても、細胞たちが味方をしてくれないと思うように前に進まない。一番の見方は細胞たちだったんだと、もっと自分の体を大事にしようと思えた朝だった。
いろんなところでよく耳にするのは、大切なのは、まず自分。自分のしあわせが先で、それから徐々に身近にいる人のしあわせを波及させていくこと。
頭でわかっていてもできなかったことが、なんとなく、ようやくできたような気がした。春の気配と一緒に、ふっと訪れたひらめき、インスピレーションのようなもの。
こういうのをきっと、俗にいう潜在意識とか無意識とかにカテゴライズされるものなのだろうけど、私の感覚は「細胞からのメッセージ」だったのだ。
細胞ひとつひとつが私の味方をしてくれる。一番の理解者であり、協力者。DNAレベルの情報を駆使して、私の「自由に生きること」を応援してくれる。
自分の中に目を向ける、意識を向けるとはこういうことなのか。なんでもかんでも擬人化しがちな私だけれど、私の中の細胞たちにもそれぞれ個々があると思うと、なんだかちょっと楽しくてしあわせな気分になれる。
一人じゃないって気にもなる。
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