地震から一夜明けて
息子が出張で不在の夜、少し大きく長めの地震。iPhoneの緊急速報が鳴らなかったので震源地は関東ではないと判断できる。あいかわらずTwitterからの情報が一番早く、福島沖が震源と出る。震度6強。先日11年目を迎え、ざわついたばかりの心に追い打ちをかける。
NHKニュース防災アプリのライブ配信で状況を確認。津波注意報が出されているのを見ながら、そばにあったピロークッションのぬいぐるみをぎゅっと抱きしめる。若干地震酔いを感じながらも、不思議と心は止まっていた。
落ち着いているというよりは、感情が動いていないことに気づいた。ひとまずトイレに入り、動揺しているはずの自分の心に聞いてみる。おまえの心は動いているのか?
ほどなくして、友人から安否確認のLINEが入る。ひとりの状態だったわたしにとっては、このLINEが救いだった。大丈夫よー怖かったねーとやり取りするだけで、心がやわらぐ。長文なんかいらない。ひとことだけでも救われるんだと改めて気づく。遠くの家族より心の友よである。
一夜明けての今朝。スマホにポップアップされるニュースのトピックスで、東北の被害状況を知る。一気に恐怖を実感したのか、改めて不安を実感したのか、遅れてやってきた3.11の記憶に動揺したのかわからないが、涙がこぼれていた。
心に明かりが欲しくて太陽を見上げる。
晴れててよかった。空が青くてよかった。
どうか、もう、二度とあの日のような冷たい雪は降りませんように。
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