昨日の自分と今日の自分は違うことを朝日が教えてくれたから、外に出かけてみようと思った
夜明け前から起床し、少しもやのかかったグレイの景色を見ていたら、なんとなく「冷静と情熱のあいだ」っぽいと思ってしまった。この作品を読んだことも観たこともないというのに、イメージだけで作品タイトルが浮かんだ。
朝の空気はフランスっぽかったのだけれど、作品の舞台はイタリアフィレンツェ。どちらも実際に言ったことはないけれど、色だけのイメージでもフィレンツェはレンガ色。全然違うように思えた。どっちかというと、日が登り始めた今の空のイメージ。
久々に朝日を迎えることができた。朝日を浴びながら作品の情報を調べていると、江國さんが書いた赤バージョンと、辻さんが書いた青バージョンがあることを知る。何それ。恋愛ものというだけで、ちょっと敬遠しそうになったものの、凝った作りというのが魅了されて、調べまくる。
同じ設定を別々に書いたものかと思いきや、リレー形式で書かれているとある。どっちから読み始めたらいいの?どうやって読めばいいの?映画はどうなっているの?と深掘り検索。
昔のHNと同じ人がコメントをつけていた内容で、映画ではなくまず原作を読もうと心に決めた。
最近本を読んでいなかったなと思い、アマゾンで検索。残念なことに電子化はまだされていなかった。
文庫本で買うのは内容を知ってからでないと・・・と躊躇してしまう。久々に図書館にでも行ってみようかなと、珍しく外に出る方向に気持ちが向かう。
そういえば、一週間以上外に出かけていないような気がする。食料品や日用品でさえ、ネットスーパーで済ませるようになり、外気に触れる時はもっぱらゴミを集積所に出しに行くときだけである。
今日は天気が良いようなので、出かけてみるとしよう。
引っ越してから、最寄りの図書館を調べていなかった。検索をしてみると、とある大学付属の図書館があり、近隣住民は土日のみ利用ができるとあった。偵察目的だけでも行ってみようかな。
朝日を浴びたせいだろうか、冒険心やチャレンジ精神が湧き上がってくる。他にやりたいことがあったのだが、今ではもうそれは「やりたいとタスクに書き出した、やらねばならないこと」にすり替わっており、後ろ髪を引かれる思いというよりは、罪悪感に似た感情が行動力に歯止めをかける。
昨日の言葉を借りるならば、「手を胸に当てて自分の声を聞いてみろ」である。
地図をじっと見ながら動けなくなる自分を、天井の方から見ている自分が嘲笑う。
ー 地図を見てる時間があるなら、全部やればいいじゃねぇか。あほだな。
よし、出かけるか。
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